医療機関のホームページに規制が掛かるのではと言われています。
平成23年10月から平成24年6月に「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」が開催され、一度議論がなされました。
そして、平成28年3月から9月にかけて、第2回目の検討会が開催されました。
この検討会内容を理解する上で、医療法におけるホームページの取り扱いについて解説致します。
医療法における広告に該当するのは、次の三要件全てが該当した場合とされています。

医療広告ガイドラインより引用
誘引性患者の受診等を誘引する意図があること
特定性病院・診療所名が特定可能であること
認知性一般人が認知できる状態にあること

この三要件から判断して、ホームページは広告には該当しません。
何故なら、この要件の内、認知性を満たさないのです。
認知性とは、医療機関に全く興味を持たない人にも情報として入ってくる状態を指します。典型的なのが駅のホームに掲載されている医療機関の看板です。
電車を待っている人が、何気なしに見てしまう状態にあります。
それに対してホームページは、パソコンやスマホをクリック、タップを繰り返して該当するホームページに辿り着くことになりますので、認知性を満たさない事になる為、医療法では広告に該当しません。
広告に該当する場合には、医療法第六の五において、広告出来る内容が限定されますが、ホームページは広告に該当しない為に、かなり自由に情報発信が可能となっています。

近年、全国の消費者センターに医療サービスに関する相談が多数寄せられるようになり、ウェブサイト上の不適切な表示等への対応が厚生労働省に求められることから、上記の検討会が開催されました。
第1回目の検討会では、ホームページも広告と見做して、その内容に規制を掛けるべきではとの意見が出されましたが、患者自らが知りたいと考えられる情報(例えば治療法、施術の内容、効果)が、インターネットで入手出来なくなることから、広告として一律に規制すると大きなデメリットが生じるとされ、今迄通り広告と見做さないとの結論に至っています。

第2回目の検討会での結論としては、自由診療分野を中心としてガイドラインを国で作成し、関係団体等の自主的取組を促進することとなりました。
「医療機関のホームページガイドライン」に記載されているホームページに掲載すべきでない事項とは、次のような内容となっています。

(1)内容が虚偽にわたる、又は客観的事実であることを証明することができないもの
・加工、修正した術前術後の写真等の掲載
・当院では、絶対安全な手術を提供しています
・○○%の満足度
(2)他との比較等により自らの優位性を示そうとするもの
・○○の治療では、日本有数の実績を有する病院です
・当院は県内一の医師数を誇ります
・著名人も○○医師を推薦しています
(3)内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調
a) 任意の専門資格、施設認定等の誇大又は過度な強調
  ・知事の許可を取得した病院です
  ・○○学会認定医(活動実態のない団体による認定)
  ・○○センター
b) 手術・処置等の効果、有用性を強調するもの
  効果があるように見せる為に加工、修正した術前術後の写真
c) 医療機関にとって便益を与える体験談の強調
  患者に謝礼を支払い、当該医療機関にとって便益となるような感想のみが
  出されるように誘導し掲載する
d) 提供される医療の内容とは直接関係のない事項による誘引
  ・無料相談された方全員に○○をプレゼント
e) 早急な受診を過度にあおる表現又は費用の過度な強調
  ・ただいまキャンペーンを実施中
又、厚生労働省から外部委託を行うことにより、不適切なウェブサイトの情報収集を行い、不適切な掲載を認めた場合は当該医療機関に対し規制を周知し、自主的な見直しを図る。さらに改善が認められない場合には、都道府県等へ情報提供を行う、ネットパトロール監視体制を構築する。
その為の概算要求予算額が平成29年度に42.000千円計上された。

①広告等の監視②規制の周知等③情報提供・指示等④追跡調査
医業等に係るウェブサイトが医療広告規制等に違反していないかを監視不適切な記載を認めた場合、当該医療機関等に対し規制を周知し、自主的な見直しを図る改善が認められない医療機関を所管する自治体に情報提供を行う(自治体は指導等を行う)自治体に対する情報提供の後の改善状況等の調査を行う

株式会社 MMS
代表取締役
佐久間 賢一
投稿日 2023.02.10

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