平成28年度診療報酬改定の影響|医院・クリニックの開業支援と経営支援のMMS

平成28年度診療報酬改定の影響

診療報酬専門家 細谷 邦夫

平成24年度の診療報酬改定から2025年問題を意識した改革が続いており、地域包括ケアシステムを意識してかかりつけ医と在宅医療のルールが変更され、現場の医師や事務員の混乱を招いている。
今次改定では、大きな目玉と言えるような新設項目は無いものの、地域包括ケアシステムに関連するものとして、小児かかりつけ診療料、在宅での緩和医療・化学療法が新たに評価されている。
また在宅時医学総合管理料等のルールが大幅に変わったことや投薬についての制限の導入などにより、算定ルールの勘違いなどが見受けられるので注意したい。

レセプト請求のルールとしては、投薬に関するルール変更が現場の混乱を招き、4月のレセプトについての返戻・査定が多発していているので、詳しく確認をしておきたい。
今回、薬剤についてのルール変更の根底には、「残薬調整」をすることが念頭にある。これは訪問診療を受けている患者などで問題となり、残薬調整を推し進める事で約30億円ほどの医療費節約効果があると言われることに端を発していることを念頭に置いておくと、新たなルールを理解しやすいだろう。

◆薬剤総合評価調整管理料
6種類以上の薬剤が投与されている患者に対して、2種類以上減薬すると250点が算定できる。また、他医療機関や薬局との連携によって減薬した場合には更に50点が加算出来る。なお算定上気をつけたい事以下の通りである。
・6種類のカウントからは頓服薬及び処方開始から4週間以内の薬剤は除く
・減薬した状態が4週間継続することが見込まれるものが対象
・加算を単独で算定することは出来ない
・患者にとっては、薬剤が減ったにもかかわらず、一部負担金が増える(3割負担で750円)事になるので説明を求められた時の対処方法を統一したい

◆湿布薬の処方の際の問題
湿布薬については70枚を超える処方をする際に、その必要理由を記載することが求められたが、ここで湿布薬は71枚以上出してはいけなくなったという勘違いがあるのでもう一度確認していただきたい。(表1)
また、湿布薬を処方した際には、枚数に関係なく1日あたりの用量又は何日分に相当するかの記載をする必要がある。院外処方せんへの記載については、処方せんの記載ルールであるため、記載漏れがあると調剤薬局から問い合わせが入るのでしっかりと確認しておきたい。

表1
レセプト等への記載
70枚以下の投薬 71枚以上の投薬
院内処方 ・所定単位当たりの薬剤名
・湿布薬の枚数としての投与量
・湿布薬の枚数としての1日用量又は投与日数
・所定単位当たりの薬剤名
・湿布薬の枚数としての投与量
・湿布薬の枚数としての1日用量又は投与日数
・当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨
院外処方 【処方せんへの記載】湿布薬の枚数としての1日用量又は投与日数 ・70枚を超えて投薬する理由
【処方せんへの記載】70枚を超えて投薬する理由

◆投薬の30日の考え方
こちらも「30日以上の処方が出来なくなった」といった勘違いが多いが、長期処方する場合の留意点として「病状が安定しかつ、病状が変化した際の対処方法を周知していること」が求められているだけであり、長期処方自体は従来通り認められている。

◆後発医薬品の銘柄指定をした際の理由記載
処方した「後発医薬品について変更不可」とした場合には、変更不可の理由を処方せんに記載することとされた。
あくまでも「後発医薬品について変更不可」とした場合であるので、先発医薬品を変更不可とした場合には理由の記載は不要である。

◆処方箋の残薬確認のチェックボックスの考え方
薬剤師が患者との話のなかで、残薬を確認した場合の連絡手段を指示する欄であると考えれば分かりやすいのではないだろうか。つまり残薬が確認された場合に、どのタイミングで連絡が欲しいかという意思表示である。
・保険医療機関へ疑義照会した上で調剤=その場で確認の電話が入る
・保険医療機関へ情報提供=1日の業務終了後などにまとめて情報提供される
疑義照会に対して電話対応などで診療の手が止まると、他の患者への迷惑になるような場合も想定されるので、医療機関の事情に応じて対応するといいだろう。
なお、特定疾患処方管理加算など一部負担金に影響が出ると返金の対応などが必要になるため、処方日数を28日分より短縮する場合には特に注意が必要だ。

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